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上手に人を慈しむ方法とは


Fate@ネタバレご注意






「百人の死は悲劇だ。
 だが百万の死は統計上の数字でしかない」

 悠然と足を組み替え神父は静かに瞑目した。ゆるく組んだ節の目立つ指が黒い聖服の上に置かれる。
「人の死がそのような無味乾燥なものになるのは大変忍びないことだ。人間が生きる上で放つ輝きを、私はこの上なく愛している。故に、燃え尽きる炎のように死の寸前により美しく輝く人の輝きを愛でていたいのだよ。それならば私は私の持ちえる全ての手段を使い百万の死を悲劇に変えて見せようと思うのだが、さて、どうすべきかね」


 がらんどうの神の家に朗々と、厳かに。声が響いて消えていく。誰もいないはずの空間で確かに何かが応えを放った。
 人への愛を斯く語る神父は、慈悲深く微笑む。
 それが人としてのあり方と決定的に訣別してようが食み出していようが、愛情は愛情でしかない。力が力でしかないように、存在とは方向性を定義するだけで容易に外見を歪める。だが本質は決して歪まない。たとえどんなに捩れ狂っていようとも何よりも強く、深く、正しく、それは愛でしかなかった。
 自らが抱く愛に従い神父は思考をめぐらせた。
 考えるまでも無い。手段はそこにあり、手を伸ばせば届く。この世の地獄を再現するには容易く、余りに強大な力の方向性をなぜ、『人への愛情』に向けないやからに渡すことができようか。そのような、詰らない。
 ただ美しいものが見たい。ただ愛でたいのだ。
 己が思う愛情の定義の正否などもはや諦観の域にある。考えることはあれど、己はどこまでもこうしか在れなかったのだから。
 なら後は貫けばよいのだ。
 尽きかけの花火が見たい、命の火花が。百万の数のそれを心底いとおしもう。
「やはり私が、聖杯の選定を行おうではないか」


 さあ、殺し合いを始めよう。










…………………私なんで神父ばっか書いてんだろ。
第一文を鋼と遥かと悪霊に分けて書いてみたい。

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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