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かなしみすらもいろあせるよに

コードギアスにはまりました。ずいぶん ま え から。(ぎゃふん)
えええええなんでこれこんなにおもしろんだこれ。
距離を置いてみているのでがっつりのめり込むほどではないのですが毎週楽しみに見ています。ちなみにびっぐろーぶ。
ルルの非力乙女っぷりはどうしてくれよう。スザクの「君が居ない」もどうしてくれよう。ナナリーのかわいさっぷりとか皇女姉妹とかお兄様とかオレンジとか見所満載で凄い楽しい。
でも 22話 
なんとか して。(吐血)


以下小話フライング23話捏造。22話ネタバレにつき全力で回避せよ。
うさぎがおもしろいから見てみようかなとか言ってたけれど止めとけ。
うさぎシャーリー好きだろ。必ず好きになるだろ。だから、やめておけ……。

音声は届かない。視界には上を見上げるあどけない姫君が立っていた。がれきに引っかけたのかぼろぼろの裾は幸福を約束するかのように優しく細波を打つはずだった。彼女が振り返るとき、柔らかな物腰と共にふわりと広がる髪とドレスがとても好きだ。さくらいろの髪は触れると本当に、吃驚するほど柔らかくて細くてさらさらで、なのに今は血がこびりついて離れない。
幼馴染みと同じ血を受けた、無垢な少女。己の幸福の象徴は、ルルーシュとナナリー、二人の幼馴染みと過ごした幼い頃の憧憬。
もう一生、そんな大切なもの持てないと思っていた。大切すぎて触れることすら自分には許されないんじゃないかと思わせるような大切な兄妹。
彼らの持つ紫の瞳と同じ、皇族直系に並ぶ美しいトパーズの瞳が今、スザクを真っ直ぐに見上げていた。
あの優しい瞳が微笑んで、紡ぐ言葉はいつも真っ直ぐに必死で、愚かなくらい純真で、姉姫が大切に大切に愛情を注いで淀んだ折から必死に守り通した姫君。それは、自分が知る、皇族の兄妹ととても在り方が似ていて。
そんな無垢な鳥籠の世界から自分から飛び出すことを決意した。飾り物になる路を自分から踏み出す覚悟なんてスザクには想像もつかない。自分は居ても居なくても同じ、そこに皇女という冠を被った人間がいれば、ユーフェミアでもユーフェミアでなくても構わない、皇族の血さえあればそれで良い。そう言いきられ、自己の尊厳を完全に否定する世界に足を踏み出す、覚悟の強さなんて知らない。その世界がどれほど歪んでるかなど想像すらつかない。
けれど、姉の愛情を一新に受けて育った鳥籠から一歩を踏み出し、また新たな鳥籠に羽を休め、その歪んだ鳥籠の中で暮らしていても、笑顔が曇ることはあっても彼女の純粋さ、無垢さ、優しさ、全部、変わらなかった。
変わらなかった。
ルルーシュは言った。
淀んでる。濁ってる。腐ってる。あんな処「ヒト」が生きる場所じゃない。
初夏の夏に、ナナリーが眠る傍らで呟いた過去の悔恨。
そんな世界でユーフェミアは歪まなかった。
それはとても、とても、希有な素質ではないか。
経験も未熟も思慮も熟考も時を重ねれば磨かれる。彼女に足りないものは彼女が身につけるまで時間をかけて努力すればいい、彼女は努力を惜しまない。それまで、その礎になるのが周りの人間の仕事だ。
そのときまで、あの優しい笑顔が、何者にもけがされないよういかなる災禍からも守りきることが己の誓い。こんな自分を生きて居てと必死で引き留めてくれた彼女。あの時泣きたいほど嬉しかったなんて彼女は知らない。
彼女の手をもう一度取ったときに、あの笑顔は未来と幸福の象徴になった。
もう二度と増えないはずだった幸福の象徴がこの手につながれていることに気がついたときの、心が軋むようなしあわせを君はきっと知らない。
淑やかな所作も、それに似合わぬ行動力も、突飛さも、振り返って名前を呼んでくれるところも、そのときひるがえる髪も、紫の瞳にスザクを映して、そして笑う時も。
禍々しい赤に染まった瞳が鋼鉄の騎士を見上げている。
細腕に抱えたマシンガン。ユーフェミアが生まれて初めて取ったであろう武器。
その細腕じゃあ発砲の時のインパクトが痛いほどだろうに。ほら、爪が割れている。しみ一つ無い華奢でやさしい手が

 あ
  か


外部音声に切り替える事も忘れて、呆然と己の姫を見下ろした。小さな唇が動く。
スザク、スザクね?
音声は届かない、唇の動きを読むのは訓練を受けたから簡単だった。自分よりよっぽどおしゃべりな唇はいつもみたいにスザクの名前を呼んでくれた。
おねがいがあるの、しんでちょうだい。わたしどうしてもあなたをころし 
ころ
ころしたくないのおねがいすざくでもしかたがないのわたしあなたをころさなくちゃだってにほんじんはころさなくちゃいけないんだものどうしてもどうしてもころさなきゃいけないのだからしんでちょうだいわたしあなたをころしたくないころしたくないのだからじぶんでしんでちょうだいいやそんなのはいやすざくいやしんじゃいやしなないででもどうしようもないそれしかないのおねがいしなないでいきていてでもしななきゃいけないいやたすけてすざくしんでいやしなないでいやたすけてすざくたすけて
引き金がランスロットに向けられる。この鋼鉄の騎士は、騎士の姫君を守るためにあるのに。
いやしなないでわたしあなたにしんでほしくないでもしかたないのいやしかたないなんていやたすけてすざくわたしを
「ユフィ!」
脊椎反射の勢いで外部チャンネル選択、接続、スピーカーオン。ナイトメアフレーム機器類の騎乗操作テストは群を抜いていたのになぜこんなに動く指がいつもより遅く感じられるのか解らない。パネルの上をはねる指がキーを叩く指が遅い。
周りにブリタニア軍が居るとか、今も阿鼻叫喚ですぐさま救護を始めねば死に往く人ばかりだとか。あり得ないことに何一つ頭に入らなかった。入る容量が枯渇していた。ハングアップ。でもユフィが泣いてる。あんなに笑ってばかりだったのに苦しくて仕方がないって泣いている。助けてと慟哭している。それならスザクがすることは一つだけだ。
「ユフィ、今、今助けるから、大丈夫だから、だから」
「スザク」
泣き出しそうな顔がふんわり笑った。
いつものユーフェミアの笑顔だ。無意識にふるえる喉の奥で変な音がする。呼吸が上手くできていない。でも笑顔は変わらない。あの淀んだ世界で変わらなかったユフィの強さそのままに、変わらない。緑の瞳が強く力を込めて彼女を見つめてくしゃりとかおが泣きそうに笑った。
白い騎士を見つめる泣き出しそうな子どもの瞳が、きいんと赤を強めて無邪気に微笑んだのは次の瞬間だった。
「スザク、来てくれたのですね。貴方も死んでいただかなくてはならないんですけれど、でもその前に、ランスロットで日本人を殺してくれますか?」
「な、に」
一番虐殺から遠いところにいた少女の声だった。紛れもなく、インカム越しに聞こえる、声だった。
「よかった、私の親衛隊の損害も式典会場の警護に当たってくださってる警備の方々の損害も、日本人を殺すにはちょっと厳しいものになってきたの。我が騎士スザクに命じます。ランスロットで日本人を殺してください。そのあとで死んでくださ」
ぱたりと無邪気な微笑みを称えた瞳から涙がこぼれた。堰が切れたようにぱたぱたと雨のように降ってくる。
「だめ、そのあともしんではいやですだめやめておねがいすざくころしたくない、だれもころしたくないのすざく、すざく、それいじょうにあなたをころしたくない、おねがいやめて、でもだめなの。ころさなくちゃいけないの。どうしてもしかたのないことなのだからすざくおねがいしんでください。だめ、だめ やめていやぜったいしなないでやめてすざくしなないででもわたしあなたがしなないならあなたをころさなくちゃいけないいやそんなのいやすざく、すざくいきていておねがいなんでもいいからいきていてこんなのいやたすけてすざくあなたをころしたくないそんなのいやいきていてすざくなんでもいいからおねがいしますだからわたしを!」

わたしをころして

きみの。
名を呼んで、遮った言葉が今また雷のように己をさいなむ。もう一歩も動けない。
紫色の瞳から後から後から雨が降っていた。

君の名を呼ぶことは特別になった。身分の上下など一笑に付されるほど相手は至上の王国に棲まうお姫様で。一生手の届かないところにいる人だって思っていた。でも至上の王国に住むお姫様はネコと戯れたり学校に突発訪問したりしないから(そもそも警備上君が此処にいると大変なんだよものすごく)それにユーフェミアと呼ぶと拗ねるから、だからユフィと。
特別な名前を呼ぶ。
そうすると君は笑って手を差し伸べて幸せそうに僕の名を呼んでくれるから。
その声すらもとても遠く遠く。

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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