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十月です。

久しぶりにパソコンを付けました。聴覚視覚を刺激するものをなるべく遠ざけておりました。漸く復調の様子が出て来ましたがここで無理すると地獄を見ること間違いないので慎重に。安静に。とりあえずパソコン使用時間が三十分って切ない。この時間が少しずつ増やせますように。
その貴重な三十分でちらっとスザユフィサイトさんを回ってきました。

・しまったかたるかいが……!orz(次の機会がありましたらぜひ。しょんぼり)
・そんな、まって、ユフィかわい……!!(あれここギアスサイトさんじゃないよね私弁慶さん見に来たよね?)
シャワーシーンって ま こ と で す  か ! ?(食いつきよすぎです)
・シャツ……ちょ、これは………!!(やはり小話を書かねばと決意しました。真剣に)

騎士姫好きに安静って無理だ。


メルフォありがとうございました。あと拍手も、本当にありがとうございます。ぽちっと押してあるだけで本当に、泣きそうなくらい元気になれました。
頑張ってきます。

掘り起こしたネタをこぴぺって去ります。これのスザクがわを書くつもりだったんですが、なかなか思うようにいかないものです。諸事情により誤字脱字など校正はしておらずいつもより杜撰です。お見逃し下さると幸いです(汗)
きてくださってありがとうございます!

befor boy meets girl. EP 4.5


ヴン、電子機器の唸る音、一瞬ホワイトアウトしたディスプレイ一杯に少女は少年を見た。栗色の髪、柔らかなネコみたいなくせっ毛で、整った顔立ちはそれでも人種の違いを感じさせる。明らかに自分とは違う膚の色。だが何より少女を惹きつけたのはその瞳であった。

「この方が」

薄暗い部屋に腰を下ろし、ディスプレイを静かに少女は眺めていた。紫色の瞳にパソコンの画面に映る少年が鏡写しに映り込む。仄暗い光を受けて少女の色白の顔は青白く見えた。
ふわりと小さな顔と背を彩る春の色の柔らかな髪の流れさえ、夜、薄暗い室内にあっては酷く寒々しく感じる。

「枢木スザク。ブリタニア軍所属、階級は一等兵。名誉ブリタニア人。出身は旧日本領、現在の神聖ブリタニア帝国直轄地エリアイレブン」


昼間偶然、報道番組を目にする機会があった。兄の事件に過敏になっていた少女はそちらの方へ思わず視線を向かわせた。フローレンスピンクがぱっと靡いて弧を描く。空港のニュースの大画面に史上最悪の罪を犯したと弾劾されている少年が捉えられていた。息を呑んだ。見上げる先の、強い翠の瞳の色に。
彼が、私の、兄を、殺した。
真っ直ぐな翠の瞳が画面越しに少女の瞳を貫いた。それは少女だけの錯覚ではあったけれど、少女はその鮮烈な第一印象を一生忘れないだろうと漠然と感じていた。
今まさに、エリアイレブンに向かおうとする空港を移動する、その一瞬の間隙、邂逅とさえ呼べない出来事であった。


空き時間にパソコンを開いてオンラインで報道されている内容に目を通していく。もう幾度も読み直して暗記している文章に目だった変化は特にない。

殴られたようなあざを頬に付けながら、なにも諦めていない、ただひたすらに真っ直ぐな視線を投げかける少年の姿からどうして目が離せないのか解らない。ため息をついてやり所のない感情から無理矢理目を離すように手元の書類を捲った。

「枢木スザク。元日本国国籍、現在はエリアイレブンのナンバーズでありながら名誉ブリタニア人としてブリタニア軍に従軍。階級は一等兵、成績、功績は共に極めて優秀ながら授章にはまだ与っておらず」

受勲に与っていないのは彼がイレブンだからであろうか。
しかしそのようなこと、事ここに至っては些末事である。臣民として最悪の汚名だ。この軍籍も遠からず剥奪されるであろう。
……ではイレブンの方達にとっては彼は英雄となるのだろうか。敗戦国の少年が獅子身中の虫として密かに牙を伏せブリタニアの喉笛に食らいついたのだと鼓舞するゴシップが一部のイレブンの間で回っているらしい。
それは彼の出生と関係していっそう劇的なのであろう。

「……特記。枢木の一門について。日本国において有数の名家でありスメラギの縁戚にも当たる。過去に複数の大臣、首相など突出した政治家、また軍人を輩出。しかし枢木ゲンブの自刃を持って枢木宗家の家門は断たれ、今は分家が複数存在するのみである。実父の枢木ゲンブは元日本国首相――」


祖国を裏切るような真似をして、その立場で、名誉ブリタニア人の業を背負った危うい生き方にユフィは顔を曇らせた。何故、彼は父の守った祖国の誇りを棄ててまで軍にこうべを垂れたのか。

誇りを棄てた?
あの双眸が?

「いいえ、そんなはず、無い」

なにも出来ない自分だけれど、人を見る目だけは持っている。ユフィの周りには宝石のように磨き抜かれた資質を持った兄と姉が常に傍にあったし、ユフィに害悪を向けてくる人間の気配には聡くならなければ生きてこれなかったから。
この直感だけはユフィは自分を信じることが出来る。あれは誇りを棄てた眸ではない。
なら何故彼は従軍を決めたのか。名誉ブリタニア人の知識を少しでもかじっていれば解る。与えられる市民権には厳重な規制がかけられているし、税金などの法的不平等も見過ごせない程である。常にブリタニアに阿って生きていかねばならない――日本人たる己を棄てるような真似だと解っていたはずだ。

それでも、従軍して一矢報いたいと思ったのか。ブリタニアの皇族に。
噛みしめた唇より心の方が痛かった。それほどに私たちは怨まれていることをこれから骨の髄まで叩き込まなくてはいけない。その中で最良の選択を模索して行かなくてはいけない。最良とは何だろうか、少女には選ぶことが出来ない。

――彼は、それが最良だと思ったのだろうか、名誉になることが。

不明、不理解、当たり前だ、少女は少年のことを紙面の上の情報以外一切知らない。

「お兄様――クロヴィス兄様」

しゅる、と髪を結んでいた漆黒のリボンを外す。皇族の喪に服す期間は近親者で三年と定められている。だがそれは既に形骸化された慣例に過ぎず、実際テロなどでエリアの総督を務めていた皇族が死ねば、喪に服する間もなく次の皇族がやってきて其処を治めなくてはならないのが現状だった。

「薄情な妹でごめんなさい。私はどうしてもあの方が復讐のためにお兄様を討ったのだと、思えないのです」

喪服に合わせた黒いリボンだけが、少女が兄を偲ぶよすがだ。兄はこの国に特別な感情を抱いていた。弟と、妹が眠る国だから、と。きゅっとリボンを抱きしめて胸元に渦巻く感情を呑み込むように俯いた。

その途端、ぽーんと軽いピープ音。なに、と紫がパソコンの画面に呼ばれて視線をあげた。新たな記事が追加更新されたのだ。ざっとそれを洗っていく。――、違う、これは。追加更新ではない。むしろ記事の差し替えと言っていい。
其処には一面ZEROの文字。
異様な仮面、黒一色の装飾。Who killed Ours Prince?その煽り文句の真下に、ZERO!!と強烈なイタリック。

そこには鮮烈にデビューを果たした犯罪者の名がどうどうと世界を騒がせていた。最早枢木スザクなど世間は目を向けない。なにが本当なのか、誰が本当なのか、そんなことばかりが駆け抜けていく、情報の海。何が何だか解らなくなったまま、少女はただ文字の海を次々飛んだ。ぱちぱちとウィンドウが次々開いては閉じていく。
そして見つける、枢木スザクの冤罪の二文字を。

枢木スザクは皇帝の息子を、殺していないのだと。

胸元にいつの間にかきつく握りしめたリボンは皺が出来てしまっていた。画面越しに映る翠の瞳。

「会ってみたい」

彼が冤罪である確証をユフィは持っていない。
そして冤罪とされても、これ以上ない醜悪な罪の疑いを受けた以上軍にいることは難しいだろう。それでも、会いたいと思うことは間違っているのだろうか。
この翠の瞳を前に自分はなにを思うのか、今度こそはっきり解ると思うのだ。
不当な取り調べを受け、適切な手続きも殆ど受けないまま軍法会議送りとなり、罪を科され、尚自分はやっていないと否定し続けたばかみたいに真っ直ぐな少年。
この翠の瞳は少女に、ユーフェミアになにを投げかけてくるだろうか。

明日は、喪服の代わりにしていたリボンを解いて髪を結い上げる。ユーフェミア皇女の初舞台だ。初仕事はまず、あとから到着する予定の姉を恙無く出迎えること。姉は総督としての就任が決まっている。そして自分は副総督へ不相応にも就任するのだ。

その間隙を縫って街に降りるつもりだ。最後に目に焼き付けておきたい。人々の暮らす場所、自分の国が傷つけた場所。エリアイレブンと名付けられた、自分が追う国を見てみたいのだ。でもきっと、あの翠の瞳には自分と違う何かが見えてる。そんな気がして仕方がないのだ。


「枢木、スザク」


惹かれる響きを切に込めた声音が静かに、部屋に響いて消えていった。

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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