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きみのそばでならあんしんしてねむっていられるんだよ@騎士姫

騎士姫小話になりました。こっそり続きっぽく。
もっとのろけて良いじゃないかと騎士に言ってみたい。
(しかしやってくれない)
っく……ばかめ!(ジレンマが)

>りえさん
帰ってきた騎士にのろけさせてみました(笑)穏やかでも賑やかでもその分切なくなるのがスザユフィですよね…!(ううっ)(しかしそこが愛しい)
ソファの上から零れ落ちる髪の毛をすくいあげながら、スザクは困ったような顔をしてまるくなっているユーフェミアを見下ろした。
ラボ備え付けの毛布に埋もれるようにくるまって、小さな寝息が静かに響いている。珍しく下ろした髪を後ろでゆるく三つ編みにしてひとつに束ねていて、ほどけかけたひとふさがソファの肘掛けにかかって落ちていた。
「……殿下?」
しばしの逡巡のあと、小さな声でスザクが夢の中のユーフェミアに声をかけるが、帰ってくるのは寝息ばかり。頭の中でうんうん唸りながら、スザクは手の中の髪を梳いてやる。
よく眠るネコの子どもみたいに安心しきって眠っているから、起こすのは非常に忍びない。しかし、彼女には所在を明らかにする義務があり、彼女の所在は二十四時間徹底してしかるべき人々に護られているのだ。もちろん、その中にはスザクも入っているが、今はユーフェミアが特にと命じた軍務に従事している時間で、その時間の彼女の警護は別の人間の職務となっている。
だからスザクがすることは、彼の姫君を起こして、あるべきと定められた場所に返してやることだ。
ふと、吐息をつく。ラボにいたセシルに、今日の実験のスケジュールが変更になったこと、この部屋で待機することを伝えられてみれば、そこにはユーフェミアが静かな吐息を零して小さくなって眠っていた。セシルがかけてやったのだろう、暖かい色をしたチョコレートブラウンの毛布にくるまって、眠りにくいソファの上で、久しぶりに安らいだ顔をしていた。
本当は今すぐにでも起こしてやって、帰さなくてはいけない。それが出来ないなら眠っているうちに、こっそり抱き上げて運んでしまえばいい。公務に疲れた彼女を何度もそうやっていたわってきた。
「ユーフェミア様……ユフィ?」
こんなに深く寝入っているのに、音にすらならないような声で、起こそうなんて無理な話だ。ユーフェミアを起こすなら、今すぐ大きな声をかけて肩をそっと揺すればいい。様々な危険に囲まれて生きる、皇族という生き物はとても他者の気配に敏感だから、ユーフェミアもすぐに目を開くだろう。
でも、どうしても大きな声は出ないし、小さな肩をすべる毛布をかけ直してやってしまうのだ。
そっとユフィのま白い頬を指の背で触れるようにそっと撫でると、くすぐったそうに首をすくめて、嬉しげに微笑んだ。翠の目を眇めて小さな微笑みをやきつける、無邪気な顔を見つめて今この瞬間を、壊したくないと痛切に思った。ゆふぃ、ゆふぃ、ゆふぃ、ゆふぃ。言葉にならない声が何度も何度も名前を呼んで、その度に空気を揮わせることなくほどけていった。
ここには騎士様がいるから、安心していらっしゃるみたいね。
くすりと笑って出て行ったセシルはもう少しゆっくりしていても良いのではないかと優しい視線で語ってくれた。
ふわふわと花の色をした髪の毛がスザクの指から何度も零れていく。落ちるたびにやわらかにすくいあげて、額にかかった前髪をはらってやる。
「ごめん、将軍には僕が怒られるから」
あと少しだけ。笑み崩れながら呟いたスザクの顔は穏やかに泣いている様な表情だった。閉ざされたすみれの瞳がやさしい翠色を見あげるのはもう少し後のこと。

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ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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