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きみのもとへ@騎士姫

今更ですが、男女逆転祭りをつい先ほど初めて見ました。
スザクはなんだ、あれはどうしたら良いんだ……。
ぶっはー吹いて慌てて小話差し替えですよ…!(アホだと思います)


@拍手ありがとうございましたー!非常に安心しました!さっそく拍手回収です。

(ところでゼノギアスの記事に拍手を下さったかたほんとありがとうございました、まさかこの小話で拍手頂けるとは……!)(男泣き)(ほんとまさか…!)

他のコメントや拍手お返事はこのエントリの一番下に。
姿見に映った自分を見つめて眉を寄せる。黒のスニーカー、デニム、タートルネックのニット、上から白っぽいグレイのコートを羽織った。あらかじめ解っていたことがサイズが少し大きめだ。手首まで袖をまくり上げて前を止めた。
さらさらと手慣れた仕草で髪の毛を解いていく。後ろで三つ編みにしたあと器用に頭のうしろでまとめる。上着とおそろいのキャスケットをかぶってしまえば、毛先だけが襟足にのぞいていて、正面から見るとちょうどショートカットの様に見える。結い上げた髪が見えないように鏡の前で色々角度を変えてみてから満足がいったように肯いた。
最後の仕上げとばかりにくるりと鏡の前で一回りしてみると、耳元できらりとイヤリングが光った。慌てて取り外して、ようやく完成。
どきどきしながら部屋のドアを開けると、待っていてくれたスザクとちょうど目があった。翠色の瞳がぱちっと瞬いてから、面白そうにユフィを見て笑う。
「……変じゃありませんか?」
「だいじょうぶ、似合ってるから」
キャスケットのつばを両手で押さえてユフィは思わず俯く。何だろう、服が似合うかに会わないかなんて、二人にとっては良くあるやりとりだ。盛装がほとんど日常茶飯事で、新しい衣裳をおろすたびにユフィはスザクにお伺いを立てるし、スザクもユフィについてからは時折服装を正す機会がある。
けれど、そういうのとはどうも違うらしい。
「ユフィ?」
俯いていた視線をあげると、不思議そうにスザクが首を傾げている。
「男の子の服が似合うって、変じゃないですか?わたし」
頬を染めた困り顔に、スザクは大真面目に首を振った。
「別に変じゃないよ。というか」
「と、いうか?」
「……うん、とにかく、変じゃないから」
「……スザク?」
ぱちっと大きな瞳を瞬かせながら、ユフィが首を傾げる。長い前髪が小さな顔を柔らかく縁取って零れた。
どことなく無防備な仕草がどうにも可愛くて困る。たぶん何を着ても彼女は可愛い。
「……じゃ、行く?」
「はい」
誤魔化すように笑って手を差し伸べれば、照れたように頬を染めたユフィが、大きな上着からのぞく小さな指先を差し出した。暖かくて柔らかい手を握ればどちらからともなく笑みがこぼれる。
あ、と立ち止まったスザクがくるりと振り返ってユフィの小さな顔の上に色の濃いサングラスをのせるとぱちっと瞬いたユフィが指先で押さえた。
空は快晴、出かける背中を風が後押ししてくれる。


以前、街を歩き回ったときはユフィの知名度はほとんど無いに近かった。公式の記録として新聞に名前が載るくらいで、ユフィの名前と姿が鰻登りに有名になったのは、彼女が副総督に着任したあとのことだ。特に行政特区の発表が行われてからは、知らない日本人はほぼいなくなったに違いない。街を歩けば大騒ぎになっただろう。
こっそりと外に出るに際して、変装すれば大丈夫、というユフィの言い分は、実はスザクに一度却下されている。一度スザクの学校で大騒ぎになったことがあったからだ。あの時は危うく興奮した生徒達に巻き込まれてしまうところだった。ユフィは自分の身が危険にさらされたことより、ブリタニアに身分を秘してひっそりと暮らしている兄妹達も危うかったことに気が付いて蒼白になっていたけれど、スザクとしてはそのどちらにも冷や冷やさせられたのだから、実はあの後で自己の危機管理が足りませんとみっしりお説教をしたのだが。
しゅんとしおれた花のようになるまで、へこまされたユフィはそのあと特区の仕事に忙殺されてしまった。プライベートという言葉から縁遠くなっていたせいか、久しぶりに丸一日取れた公休日に、こっそりと外に出てみたいとへこまされた記憶にもめげずに、スザクにお願いしたのだ。
別に外出に反対しているわけではない。きちんと何処へ行くかを明示すれば、それがユフィに著しく危険を与えない限り、移動手段とSPが一式揃ってユフィに与えられる。スザクが反対する理由もなくなる。しかし、それでは嫌だとユフィは言った。つまり行きたいところは公に明示できないし、行ったことすら秘密にしておきたいのだ。スザクがいれば身の安全は保証できるでしょうと捨てられたネコみたいな目で必死に頼み込まれれば肯いてやらない自分が悪人になった気もする。確かになまなかな驚異にスザクは打倒されない。ユフィを護ってもなおあまりある。しかし組織化された犯罪グループに狙われたりした場合には、いくらスザクでも叶わないのだ。訓練された軍の一小隊あれば百人の無統制な人間を制圧できる。人間の驚異とは意図的に連携し、群れたときに初めて発揮されるものだ。
それでも、この数日のスケジュールを間近で見てきた人間として、また彼女が行きたいという場所を聴いて、スザクは渋々ながら溜息をついて了承せざるを得なかった。その条件が、特派に一日滞在すると公式記録として前もって明示しておくこと、と外に出るときはユーフェミアという女の子ではなく、ユフィという男の子として存在することの二つである。
「ナナリー!」
室内に入ってドアがぱたんと閉まったとたん、ぱっとサングラスとキャスケットをとりさってユフィは窓辺に走り出した。
「おねえさま!」
車椅子の上で日だまりがとけるような笑みを見せて、ナナリーが身を乗り出す。小さな妹の体を辿り着いたユフィが支えてやりながら暖かく抱擁した。ふわふわの亜麻色の髪を撫でてやり、おでこにキスをするとくすぐったげに笑ったナナリーも身を乗り出してユフィの頬にくちづける。
げんきだった?かわりはない?からだのぐあいはどう?きょうはいちにちじゅういられるのよ、お菓子を一緒に作りましょうね。
頬を染めてきらきらした瞳でユフィは妹に語りかける。ユフィの矢継ぎ早な言葉に一々頷いて、一つ一つに答えたナナリーは最後の、一日中いられるのよ、と言うユフィの台詞にはしゃいで抱きついた。
ふわふわの髪を揺らして幸せそうに笑ったナナリーは、ずっと会えないままだった大好きな姉に思う存分甘えている。
「ユフィ姉様?お兄様みたいなお洋服を着ていらっしゃるのね」
ユフィの上着に触れて不思議そうにナナリーが言うと、変装をしてきたのと楽しげにユフィが笑った。
「それにしても良く来れたな。黒の騎士団が協力を表明したとはいえ、日本独立の原理主義者はまだまだ居るぞ?」
仔ネコみたいにじゃれているいもうと二人を遠巻きに見やりながら、隣のスザクをちらりとみると、あーとかうんとか、嫌に歯切れの悪い言葉が返ってきて紫の瞳をルルーシュは瞬かせた。
ブリタニアに囲ってもらって果たした独立に何の意味がある、と唱える人間達も少なくはない。そのことごとくが危険な自爆テロに走る傾向があるために、ルルーシュも黒の騎士団に、民間人に不要な危険が及ばないように手を回させている。騎士団からの離反者もあったが機密が流出しない限りは放って置いた。こと、ここに及んで、ゼロにもユーフェミアにも従おうとしないのなら、ギアスを使ってでしかその思想は翻せないだろう。足取りだけは追って、勢力が拡大する傾向にあるというなら粛正すればよいとルルーシュは考えている。
そういった日本人達の目下の標的はブリタニアと手を組むゼロと、特区の旗標であるユーフェミアである。
一触即発な危険な組織はあらかた取り締まったとはいえ、危険がゼロという訳ではないのだ。
「うん、今日はユーフェミア様、特派でお茶してるから。あそこにいるのはユフィって言う……男の子だから。そう言うことにしておいてくれると嬉しい」
「おとこ……あんな弟を持った覚えはないぞ俺は」
じゃれる仔ネコのように仲睦まじく、楽しげな二人はくるくると笑いあって楽しそうだ。
ゆれる大きな上着の上からは隠しようもない小柄な体の線が見て取れている。鮮やかな髪を隠して、キャスケットを目深にかぶり、皇族の象徴である紫の瞳を隠すサングラスをのせて黙って立っていれば、小柄な少年に見えなくもない。しかし柔らかな仕草や歩き方や、何より声で少女であることが誰にでも解ってしまうので、ユフィがする変装よりもましだとは思うが、あまり賢いやり方でないのはスザクにも良く解っている。
「公式記録は捏造したし、ここにいるのはユフィじゃないって白を切り通せば何とかなると思う……たぶん。あんまり大事にならなければあんまり怒られないと思う……たぶん」
「せいぜいコーネリアにばれないようにするんだな」
人ごとのように言ってくれるなあと天を仰いだスザクの横をすり抜けて、妹に呼ばれたルルーシュがソファから立ち上がって二人の傍に歩いていく。その後ろ姿を追いかけて、笑っているユフィをちらりと見たスザクはまあいいかな、と溜息をついて、床に転がったサングラスを拾い上げて、胸のポケットにしまい込んだ。


(一番時間かけたところ→ネコ画選び)
(五十枚以上は見た)
(偶然検索にひっかかったうきぺでぃあを熟読したあとに書き出したのが間違いだった)
(ほんと間違いだった)

>ぺすさん
もっとのろけさせてみたくて再挑戦です。わーアンソロありがとうございました!ばちがいでほんとは、恥ずかしい……!決闘の補完小話になるはずが男女逆転祭りに取って代わられました(笑)あとツンデレ姫さま可愛かったです、どうしてくれようかと思うほど可愛かったですごちそうさまでした……!

>りえさん
覗き込んでたスザクと視線があって、寝ぼけ倒したあと真っ赤になって大慌てしながらソファから転がり落ちてスザクにがしっと抱きしめられたベタなシナリオ展開があのあと待ってます(笑)ひととおり完結している小話ならオープンでも隠しでもコメント大歓迎ですよ、お気になさらず!それと拍手ありがとうございました、安心しました!(笑)
>さなのさん
拍手ありがとうございました!ちゃんとうつっているようでほっとしました。こんなごった煮ブログを見てくださってありがとうございます!

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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