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騎士姫@世界はそれを愛と呼ぶんだぜ。

何か恋人らしいことをしてほしかったのと、放送が様々な意味で不安なのとで今のうちに携帯からもえておきます。無事に見れますよう、に…(吐血)あとオフから。ちらっと見本と言うか。アルシェリとミハクラも書きたい気持です。
背伸びして伸ばされた指先に軍服のタイを絡め取られた、とたんぐいと下にかかる重力。瞬きをする間もなく、柔らかくて暖かい何かがくちびるに触れた。
目の前のからだがふらっと傾いだ。パンプスの足元を支えるために反射で腰に手を回す。スザクがちからを込めれば折れてしまいそうだ。
一度、押し付けられるだけの口付けがほどかれた。甘やかな吐息が漏れる。少し震えた白いまぶたの下からすみれの瞳がのぞいていて、スザクの深緑をのぞきこんでくる。
「……殿下?」
さんごいろの爪先がスザクのくちびるにあてられる。あでやかに笑ったユーフェミアは仄かに頬を染め、けむるまつげを瞬かせた。
「スザク」
ささやきと同時に精一杯、パンプスのつまさきが伸ばされ、しわのよっていたスザクの眉間に唇を寄せて、触れながら呟く。背伸びしたユフィでも、少しだけ高さがたりなくて、タイを引っ張られるままスザクは首を傾いだ。触れてくれる小さなくちびるは柔らかで安らかだ。
「辛いときは辛いと、我慢しないで、どうか」
言って。
「苦しいのに笑わないで」
切実に祈っているから。
「あなたが日本でも。私がブリタニアでも」
息が詰まるような胸苦しさを覚えながらも慈雨のようにくちびるはあたたかい。
「……ユフィ」
「はい?」
「ごめん、そばにいて」
「ずっと?」
流れた髪の柔らかさ、花の色した流れごと抱き締めてスザクははじめて穏やかに笑った。やっと呼吸を思い出したようだった。
「うん、ずっと」
仕方がないですね、と幸せそうに頬をそめて少しだけ照れてうつむいた小さな顔にくちびるを寄せた。
「ごめん、は間違ってますよ」
わたしも望んでいるの、と小さく照れて笑ったユフィのすみれの瞳が優しく瞬いていた。


もうすぐ幾度目かの敗戦の日を向かえるイレブンのテロ活動が活発化している。スザクにも勿論指令は下った。繰り返してきた年月の中で、慣れたことと何気無く日々を過ごしていたはずだった。敗戦の日の少し前、父の本当の命日すら淡々と。なのに彼女は気が付いた。
父の血に手を染めた日を誰に話すこともなくただ無理に笑う視線の揺れや、言葉の違和感を広い集めて、スザクの傷みに気付いて優しくしてくれる。そんな風に生きていける人なんてきっとこの世界で彼女しか。
歪に生きてきたスザクは普通を知らない。でもたぶん、世界はそれを。

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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