記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

銀魂、沖神@her inside.

沖神っていいよね。なぜかいつのまにかときめきを覚えるよね。…ほんとなんでなんだろう…(悩)
色々と度肝を抜くリクエストありがとうございました!手始めに携帯から沖神?です。…ところでこのリクエストの方私の頭の中を読みましたか。
(´・ω・`)
しかし色々手抜きにもほどが。(むしろメモ)(あとからパソコンで直します…)それにしてもなぜ土方さんはどこでもこんなに格好良いんだろう。次は鋼か悪霊で。今日の鋼が楽しみです。(*´д`*)

以下銀魂沖神と土方さんです。本編夜兎兄妹までネタバレご注意。ちょいと書き直しました。9/9
「侍の魂なんて私には一生解らないアルネ」

伽藍の橋。その場で行き会ったのは偶然だった。普段なら喧嘩上等もしくは眼中にさえいれない殺伐としたやりとりを繰り広げ道を行く通行人の皆様を恐怖のどん底に突き落とす万事屋としんせんぐみの幹部連中ではあるが、今日はその趣が違った。
傘の下にある小さな顔は桃色の髪を揺らして、少女特有の愛らしく土方を見つめた。愛らしいのは外見だけでその凶暴性たるや全宇宙でも一、二を争う天人であるのだが。
何気ない言葉を一言二言、いつもならそれで終わり、土方の弟分であればそれが「事件は常に遭遇した場所で故意に起こしているんだ」と、踊った迷走走査線再放送でやっていた決まり文句のような事を実際やらかすわけであるが。その修繕費たるや実に組の年間予算の数割を占める。恐ろしい状況であるので冷静に考えてはいけない。
しかしその日は趣が少々異なった。
傘の下にかげる桃色を揺らして土方を見上げた神楽は、そのままぽんと足場を蹴って、危なげなく橋の欄干に片足で飛び乗った。そのまま腰をかけ、ふらっと爪先を揺らして遊ばせる様は、身体能力さえ度外視すれば、年頃の人間の少女と何ら変わりない。
は?、と神楽が一瞬前まで居た橋から移動した軌跡を反射的に視線で追いかけ、欄干に腰掛けてかさをくるくると回す神楽にいぶかしげに眉根を寄せた。
またろくでもないことを企んで居るんじゃ無かろうか、と前科に心当たりが山ほどありすぎるため、早々に立ち去りたい気持ちで胸がいっぱいで張り裂けそうである。これが年頃の恋する乙女の気持ちだろうか、その割にはこの動機はあまりに物騒すぎる。
黄昏時の夕暮れに、土方自身が黄昏れながら照らされて、長く影をのばしていると、神楽が真っ正面から、こちらがいぶかしむほど静かな視線を向けてきた。射抜くような。
そうして放たれたのが、先の一言である。

「――は?いきなり何言ってんだてめぇは」

「独り言アル。乙女の囁きをかってに盗み聞くなんて男の風上にも置けないマヨネ」

「マヨ言うな。つか独り言っつーのはもうちょい静かに話すもんじゃねぇか?聞かれたくないもんなら、特にな」

「私に解るのはヒトツだけヨ」

「このお子様人の話を聞いてやがりますか保護者は何育児怠慢してやがるしょっぴくぞコラ」

「夜兎に解るのは人殺しはヒトゴロシだというコトだけネ。上も下もない。ただ人殺しという行為にはそれ以上も以下も、価値はナイ。数が多いか。手口が残虐か。動機の所在。それは皆また別物ヨ。命はヒトツ、死も一度」

「……まあある点では真理だな。俺の信義にゃあわねぇみてえだが」

「でも解ることもアルよ。理解できるコト」

「へえへえそりゃ良かったな」

「乙女の話はちゃんと聞くアル。無礼千万なマヨアルネ」

「…独り言だったんじゃねぇのか?」

「ひとりしかいない家族の。一番大切なココロモノ奪っておいてほったらかして臨終にも駆け付けない。その上自分と一緒になればしあわせにしてやれないとかアホを抜かして、てめえ勝手な幸せだけ祈ってワガママな誠実気取って、死にかけの女ほったらかして何やってるかと思ったらヒトゴロシに精をだしてる、そんな男を殺したくなる気持ちは痛いほどよくわかる」

総悟から聞いたのか。妙を伝に近藤から話を伝え聞いたか。知らないが、近藤が軽く話題する事柄でもないことは百も承知している。ならばサドっ気の入った弟分と何らかのやりとりがあったのだろう。
言い訳も反論もない。すべては事実である。故に滑り出た言葉はそのどちらでもなかった。

「……夜兎でも?」

殺しを本能とする、滅び行く種族でも、と。彼女の生態に関しては組の情報網にもかかっていたし、上からも厳重監視の天人として区別されている。実際は万事屋の面子が揃っている限り、所構わず虐殺に走る、辻斬りに転職する、アングラに組織を恐怖政治でもって打ち立てる等々の処遇にはならないだろうから、実際は放置状態である。まあ他の色々なやっかいごとは軽く鬱になるほど引き起こしてくれるが。

「私だからこそ、ネ」

ふわりと吹いた風に傘越しに空を見上げた神楽が、土方を静かに見下ろす。

「……ほう。経験談か。余程男に運が無いと見える」

さらりと言われた言葉に、重さを感じ取ることはできず。音声が空気を振動させる重さ以外は、何も。

「運が無かったのは私じゃなくてマミーの方ヨ」

弱り行く夜兎など殺す価値もないと言い切り強いからという理由だけで夫を殺そうとした息子と、臨終にも駆け付けない放浪癖をもち死した後も子どものことだけを案じてしかし父には一切の期待が出来なかった母は、最期には笑って逝った。
夜兎の血統に忠実であろうとした息子の生き方をある意味では正しく正統であるのだと認め、自身のために薬を探して宙を駆ける夫に感謝し、余後、ただ独り残される娘を案じながら、悲しみではなく微笑みを残してくれた人。

神楽の母。

煙草を吸う手を止め、ライターの火種を打つのを止めた土方が、ただ黙って目をふせた。そうして何事もなかったようにライターを打つ。かちり。小さくともしびが掌を照らしくれゆく残照に混ざって溶け、雲の様な紫煙が東風にうっそりと散っていった。

「私には万事屋がアルよ。銀ちゃんが居てダメガネが居て姉御も居るヨ、だからマミーには似なかったんだと思う。似てるのは顔だけ」

「……親父に似なくて良かったな……」

例のインパクトのありすぎる強烈な彼女の父を思ってそっと土方は冥目した。しみじみと遺伝子の神秘に感じいる所存である。

「そうだな、マミーは早くに死んじゃったから、そっちの寿命も似てるとイイ」

からりと笑った少女は橋の欄干からひょいと飛び下り土方のとなりに降り立った。揺れる髪飾りの房が跳ねる。

「……おい小娘。癪だが。おいてかれる気持ちは解る」

それは痛いほどに。生きていた頃のまばゆい笑みが光のトゲになって心と記憶に焼きついてズタボロにするほどに。
死に至る心傷を土方と沖田に付けたただ一人の女の死。
だから。

「総悟の前で言うんじゃねえぞ」

「マヨこそ覚えておくよろし」

沈み行く残照を背負いながら、陽光に嫌われた生き物は日の光にも負けぬような笑顔を向けた。

「ダメ父に似て私が長生きした暁にサドがいなくなってたら、代わりに私が引導渡してやる」

にっと笑う少女の双眸が、爛、と獰猛に瞬いた。夜兎の獰猛をかいまみせ、ふわりと傘を翻し、しなやかな獣のような仕草できびすをかえすと、年頃の娘みたく、可愛らしく傘をくるんと回してとことこと歩いていく。

「まあ精々引導渡しに来るのを待っててやらあ。……世話ぁかけるな」

「礼は新しい夜王の件で手打ちにしておくネ」

眉を上げた土方が首を巡らせ神楽の方を向きいぶかしむ。その視線に頓着せずに神楽は無造作な仕草で片方、髪止めをはずした。傘から除いた横顔に、夕闇に色付いて鮮やかな髪がはらと長く弧を描いて散る。いっそ幼い印象をがらりと変えて不吉な色彩を纏って、ちらと土方を見上げた。

「こんな顔したアホヅラ見たら私まで」

「……血縁か」

「ダメ兄貴。ヨロシクな」

は、と紫煙をはきだしながら土方がわらった。

「引導渡しに来るほど長生きしたらヨロシクしてやらあ」

「…………その前にお前がサドに殺られないようにせいぜい気を付けてくアルネ」

「あのサド相手にどんなに警戒が必要か解ってて言ってやがるなテメェ……まぁ、総悟よりは長く生きてやれや」

不意打ちのごとく、言われた言葉の重さは夜兎の闘争本能の頸に捕われようとする自身を繋ぎ止めようとするかのようで、ほどいた髪が風に散らされるまま、神楽は儚く空をあおいだ。

「みな、私より先に逝くのに惨いことを言う」

「あん?何だって?」

「……まあ、忘れないではいてやるネ」

努力も、望みも、きっとしないだろうけど。

「命はヒトツ、死ぬも一度。生きている今も一回だけ」

生き死にに貴卑はなく、夜兎は強さをもってのみ生存に価値と尊厳を見い出す生き物。自分がそうならない保証はないと、兄とかいこうした時に嫌という程思い知った。

「早死にしようが長生きしようがみんな生きてる今、この一回の命は命を賭して守るよ」


ほどいた髪をそのままに言い棄てた少女の横顔が柔らかに微笑んでいたことを、記憶から抹消しながら深い呼吸で煙を肺に入れる。はきだしながら満足げに、皮肉げに、口角を上げた。

「分かってんじゃねぇか」
あの微笑みは土方が見るべきものではない。

夏の終りの残照が長い陰を引く橋の上。跳ねるような足取りで去った少女の陰はない。門限が厳しいのだろうか知らないが日がくれるまでに帰らなければなんだかんだと万事屋の連中がうるさいらしい。
どこの親馬鹿だとうそぶきながも、大事にされている、と思う。大事にする、形は千変万化。自身が悔いばかりを残すようなやり方しか出来なかったのもまたヒトツのあり方。
万事屋の面子は。……サドっ気満載の弟分は。あの一見幼く愛らしい、生粋の殺戮の本能をもつ生き物をどう大事にするのだろう。
おいてかれるのは嫌だから。
そんな残酷を理由に、餓鬼が早死にを願うようなやり方はしてくれるなと、頭の隅ですら願うようなことは性にあわない。
そんな偉そうな事を言える資格もない。臨終をみとることも死水も取ってやらず、寄せられる思いに最後まで応えなかった自分には。

ほとりと灰の落ちた煙草を揉み消し、寄りかかっていた欄干から立ち、娘とは逆の方へときびすを帰す。灰と残酷の散る橋のたもとには伸びた陰さえも。
今はもう無く。



銀魂、沖神(つか土方+神楽×沖田?)@her inside. 09.09.06初出、090909改稿。
(沖田がびたいちもん出てこなくてすまない)
(今は反省してる)
(´・ω・`)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

フラッシュ クロック 「傀儡人間」

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。