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薄桜鬼@オフラインサンプル、一

帰って参りました。台風の中でのフライトはもう遠慮したいです。
僅かに、雲もありましたが、夜景が非常に美しかったです。スザユフィアンソロに寄稿させていただいたタイトルを決めたときのことを思い出しました。この一つ一つが命の灯火なんですよね。

月曜からまた全力でバイトと課題と原稿と論述を頑張ろうと思います。
薄桜鬼・GHの細々とした情報はまずブログに乗せていきます。脱稿したら、改めてページを作りますね。今回は薄桜鬼です。
それよりまず当落ですね……初めてなので、とても実感がありません(汗)。駄目なら大阪を考えております。では、サンプルは下に畳んでおきますね。
 沖田総司が人斬りであるのは新選組のためでないと正確に把握しているのは、おそらく土方一人であろう。ただ、近藤には新選組が何よりも大切で、新選組には人きりが必要であった。そして幸いなことに、不幸なことに、総司は人を斬る腕に誰よりも、何よりも、長けていた。近藤が必要とするならば不断の命を刈り取るよう命じて、総司に人を斬らせた。
 土方にはそのことに後悔など微塵もない。むろん、侍として使える主君を近藤ただ一人と定めた沖田にも、後悔など微塵もあるはずがない。
 畢竟、近藤を理由に沖田を人きりにしたのは、土方なのだ。
 その沖田が、近藤のために生きる/斬ることが出来なくなったら。
「……くそったれが」
 口汚く語散て、組んだ腕を袖の中で、爪痕が残るほどに強く握った。思い切り力を込めれば丹前の袂に皺がきつく刻まれる。しかし、沖田の感じる絶望に比すべくもないのだ。
 
 何が出来るまでもないままただ日々を過ごしている。
 それは近藤も、土方も、沖田も同じであった。死病という、生きながらに死した様な有様の前に、人は天壌無窮、無力であると断罪されるのだ。
 絶望は生ぬるく、暗黒には優しく、ただ、普通に生活している物音を聞いていると障子戸を蹴破り、その向こうを健康に歩く人影を無性に殴り殺したくなる。
 心は既に膿んでいて、激烈に感ずる無力に、体と心が無気力によって蝕まれてゆく。
 その中でただ一人、千鶴だけがくるくると動き回ていた。子犬のように跳ねる尻尾が視界の端に写るたび、薬を、食事を、新しい着物を手に、奥の間へと向かっていく。
 わたしは、おにですから。
 柔らかな声音で少女は、私は人よりは簡単に死にませんから、と端然と微笑んでいたのだった。
 何が出来るまでもないのは、千鶴とて、同じことであるというのに。
 否、死病と知らされたからこそ、医師の娘として育った千鶴には、先の絶望が予測できてしまうのだから、微笑んでなどいられるはずもない。
 土方とて同じ病を経験した身の上だ。奇跡的に命を拾ったが、それは僥倖と運にしか過ぎない。
 それでも、千鶴に沖田の死病を告げたとき、彼女は端然と微笑んだのだ。
「看病を引き受けましょう、私は蘭学を学んだ父様の娘で、鬼ですから」
「……そうだな」
「これ以上の適任は、居ないと思います。そうなんでしょう?」
 そう、土方も判断していた。していたのに、言い出したのが幾つもしたの小娘の方からだとは鬼と言われる男も器が知れたものだ。
 何も言えない土方に、千鶴は儚く微笑んだ。さらりと黒髪が細い肩の上で揺れる。
「鬼で良かったと、初めて思いました」
 淡い声音が、土方の両肩にずしりと重くのしかかり、うたかたのように響いて消えた。
 



 オフラインサンプル一。こちらは短編集の方です。各キャラ×千鶴となります。全部で二~四編の予定、季節をモチーフに。
 サンプルが、誰がどのカップリングかはもう暫く秘密ということに。

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プロフィール

ゆつき

Author:ゆつき
日々徒然。
何とか生き延びている。
うっかり突発小話ありけり。
何が出てくるか解らない。
おそらく切羽詰った精神状態で出てくる故注意が必要。


おねがいごと。
小話の続きは、コメントのほうに私が書き込んでいますので、小話への直接コメントはご遠慮くださいませ。

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